2013年3月 4日 (月)

迷えるアトピーたちよ



よくぞここまでたどり着いたのぅ



ようこそ、さぁさぁ、ワシの部屋に入りなさい。



このブログに辿りついたということは、お主は迷えるアトピーじゃな。


うんうん、そうか。


よろしい、それならワシの過去の体験をお主に語ってやろう


きっとお主の決断の助けになるはずじゃ。





もう20年以上前、まだアトピー仙人になる前のワシは、脱ステをしてえらくひどい目にあったんじゃ。


迷えるアトピーよ、ワシの話を聞きたくなったか?


うんうん、よろしい。






今日は日も沈み遅いから、明日から話をしようかのぅ。


今日は泊まって行きなさい。







2013年3月 5日 (火)

Episode 1 脱ステロイドで悪化した記録



どうじゃ、よく眠れたか?


だいぶ疲れが溜まっているようじゃのぅ。


アトピーの悩みというのは、辛いものじゃからのぅ。


ワシも同じじゃ。なったものにしか分からない辛さじゃな。


では、本題に入るとしよう。





それは遠い遠い昔の話じゃ。


ワシは生まれついてのアトピーじゃった。


物心がついた時から痒みに悩まされておったんじゃ。



両親は、ワシを色々な病院に連れて行ったのぅ。


東にアトピーが治るという病院があれば出かけて行き、西にアトピーが良くなるといった病院があれば訪ねに行ったんじゃ。


それだけじゃない、アトピーに効くという商品があれば購入し、色々と試したものじゃ。


今から考えると、それはアトピービジネスと思われるものがたくさん含まれておったのぅ。


しかしながら、たくさんの病院、たくさんの商品を試したが、完治には至らなかったのぅ。


振り返ってみると、アトピービジネスと思われるものにはあまり効果がなかったんじゃ。


ワシら親子はきっと、いいカモじゃったのかもしれん。



でものぉ、もちろん両親には感謝しておる。


子供のことを大事にしてくれる両親じゃった。


ありがたいことじゃ。

2013年3月 7日 (木)

Episode 2 脱ステロイドで悪化した記録


うん?それで、どんなことをしたのかって?


そうじゃのぅ。覚えているのじゃと、気を送り込むなんて怪しい治療もしたのぅ。


免疫力を上げるとか何とか言って気を送り込むんじゃが、子供ながらに、さすがにこれは効かんじゃろと思ったもんじゃ。


案の定効かんかったのぅ。



他にも何か覚えておらんが、錠剤やらカプセルやらを通販で取り寄せて、飲んだりしたもんじゃ。


これらも効果があったようには思えんかったが。



アトピーで有名な病院でミイラのように巻かれたこともあったのぅ。


今から考えると、あの独特の白い軟膏は、ステロイドに亜鉛化単軟膏を混ぜたものじゃったと思う。


亜鉛華単軟膏の独特の匂いとベトつきが嫌じゃったが、この病院に通っている時が一番良かった気がするのぉ。

2013年3月 8日 (金)

Episode 3 脱ステロイドで悪化した記録



今もアトピーを取り巻く状況、つまりアトピービジネスはそこまで変化しておらんのかもしれん。


アトピーにも効きますなんていうフレーズがあちらこちらの商品に見られるからのぉ。


いい加減なことは書かんでほしいもんじゃな。


「論文にのってます、学会で注目の治療」なんて書いてあっても、実際にはちゃんとした論文雑誌ではなかったり、学会で発表しただけで何の注目も集めていないなんてことは多いのぉ。


ちゃんとした雑誌には審査があるが、審査なく載せられる一部の怪しい雑誌もあるようじゃ。


それに、学会にはお金さえ払えば発表できるからのぉ。




むしろアトピービジネスは巧妙になってたりするのぉ。


なかには「学会推奨」なんて書いていたりするが、書いてある学会がかなり怪しかったりするもんじゃ。


とはいっても、中にはちゃんと検討しているものもあるんじゃろうが、いい加減な奴らが混じるとどれが正しいのか分からなくなるからのぉ。


大迷惑じゃな。



今日はここまでじゃ。続きはまた話をしようかのぉ。

2013年3月 9日 (土)

Episode 4 脱ステロイドで悪化した記録


さて、しだいにワシも成長し、そうこうしているうちにステロイドバッシングの時代になったんじゃ。


ステロイドバッシングは知っとるか?


よろしい。


念のため、ステロイドバッシングを説明しよう。



有名なのは92年のニュースステーションの特集じゃな。


ニュースステーションは当時、大人気のニュース番組じゃった。


そこでステロイドによる副作用の特集が放送されたんじゃ。


しかし、その内容は当時の医療レベルからしてもひどいものじゃった。


ステロイド内服の副作用を外用の副作用と勘違いしていたり、ただアトピーがひどいのを副作用だと報じたりしたそうじゃ。


こんな報道が至る所で行われ、ステロイドは悪魔の薬というイメージが広がっていったんじゃ。




今考えるとひどいものじゃ。


冤罪じゃよ。冤罪。


ステロイドは無実なのに罪をなすりつけられたんじゃ。


当時は、今のようにインターネットで情報を得ることができなかった時代じゃし、まだまだ副作用のことが十分に検討されていなかったのかもしれん。


じゃが、それにしてもひどいもんじゃ。


あの当時のひどいニュースを今でも信じとる者がおるそうじゃが、いいかげんに目をさますべきじゃなぁ。

2013年3月11日 (月)

Episode 5 脱ステロイドで悪化した記録



そんなステロイドバッシングの時期に、アトピー仙人となる以前のワシも騙されたものじゃ。


当時のワシは、たいしたアトピーの知識はなくて、何となく病院に通いステロイドを塗っていたんじゃ。


そんなワシの周りには、何人かのアトピーの知り合いがおった。


彼らの中には、ワシよりも積極的に色々な治療をしておって、彼らはステロイドバッシングの情報を信じておった。


ワシは彼らの「ステロイドは怖いからやめたほうがいい」という言葉を聞いて、どうなんだろう?やめたほうがいいのか?病院に通うほうがいいのか?心が揺れたもんじゃ。




「ステロイドは怖いよ」というのは、まさに悪魔のささやきじゃな。


そういわれると、やっぱり病院に通ってちゃんとした治療を受けた方がいいのではと思いつつも、塗るステロイドが少なくなる。


塗る量が少なくなると十分な効果がでない。


ステロイドが効かなくなったのか?やっぱりステロイドは悪いものなのかと思うようになる。


つまり、疑心暗鬼に陥っていたんじゃ。




まさに、今のお主のような状態、迷えるアトピーじゃった。


2013年3月12日 (火)

Episode 6 脱ステロイドで悪化した記録



結局のところ、ワシが脱ステをはじめたのは、周りの空気に飲まれたからじゃ。


今から振り返るとこれは最悪じゃったのぉ。


洗脳に近い状態じゃなぁ。


当時は特に情報が乏しかったから、心理的に容易に洗脳されたんじゃ。


どうも危険なものを塗っていたらしい、脱ステしないとひどいことになるらしい、と何の根拠もなく思ってしまったんじゃ。



とはいっても、ワシの洗脳は軽いものじゃった。


のちに、ひょっとしたら脱ステは間違いなんじゃないかと自分で気づくことができたからのぉ。




こうして始まった脱ステじゃった。


脱ステ直後は人によっては急激に悪化するみたいじゃが、この辺りは人によるようじゃ。


ワシの場合はそこまで急激な悪化はしなかったんじゃ。


悪化しやすい時期やしにくい時期なんかも関係するのかもしれんのぉ。


むしろ、ワシの場合は徐々に悪くなっていったのぉ。


まぁ、治療をやめたんじゃから、悪化して当然じゃな。

2013年3月13日 (水)

Episode 7 脱ステロイドで悪化した記録



脱ステ後、ワシのアトピーはひどくなったんじゃ。


まぁ、治療をやめたんじゃから当たり前じゃな。


肘、膝、体、首、顔を中心に、全身の皮膚がまるで象の皮膚のようにゴワゴワした状態じゃった。


最重症とまではいかなかったんじゃが、慢性的に痒いし、辛かったのぉ。



そうなると、人前にも出たくなくなる、何もかもやる気がなくなるんじゃ。


何とも内気な社交性のない人間になってしもうたぁ。


こんな人間に付き合おうと思う人は少なかったじゃろうなぁ。


そんな状態が、だいたい2年弱続いたんじゃ。



本来なら青春真っ只中の時期のはずじゃ。


辛い思い出じゃ。


脱ステには、ワシの青春を返せ!といいたいのぉ。


脱ステは人生泥棒じゃ。


大事な生活を奪っていくんじゃ。


そうこうしているうちに、脱ステは辞めたほうがいいんじゃないかと思う事件が起こるんじゃ

2013年3月14日 (木)

Episode 8 脱ステロイドで悪化した記録



そんな脱ステ期間が2年ほど続いたんじゃが、終わりはあっさりしたもんじゃった。


とびひに罹ってしもうたんじゃ。



最初はジュクジュクした部分が治らんのぉ、くらいにしか思っておらんかったのじゃが、徐々に広がっていったんじゃ。


なんかおかしいのぉ、なんかおかしいのぉ、と思っとった。


ステロイド不信は病院不信にも繋がっておったから、おかしいのぉと思っていても病院にはなかなか行けんかった。


しかしじゃ、さすがにこれはひどくなってきたと思い病院に行ったんじゃ。


答えはすぐに分かった。


「とびひですね」ジュクジュクした部分を見るなり、すぐに医者はいったのぉ。



とびひというのは、正式には伝染性膿痂疹と言うそうじゃ。


皮膚でおこる、細菌の感染症じゃ。


ワシの体をみて医者は言ったんじゃ「ちゃんと治療をしているかな?最近、脱ステしてアトピーがひどくなって、感染症を合併して来る人が多いんだよ」。


その時にワシは思ったんじゃ。


もしかして「脱ステは間違っているんじゃないか」とな。

2013年3月15日 (金)

Episode 9 脱ステロイドで悪化した記録



それから、自分なりに正しい治療とは何なのか調べたんじぁ。


特殊な治療ではなくて、ちゃんとした治療じゃ。


特殊な治療が本当にみんなに効くなら、当たり前のように医者も使いはじめるはずじゃ。


だけど、医者の間で広まらない治療は、所詮その程度の効果しかえられないと思ったんじゃ。


だから、ちゃんとした、ほとんどの医者が普通にする治療をもう一度考えなおしたんじゃ。


ワシの修行のはじまりじゃ。



そして、自然とステロイドを塗る治療に戻っていったんじゃ。


脱ステの時の悪化が嘘のように楽になったのぉ。


本当に楽なんじゃよ。


体も、そして心もじゃ。


心も楽になったから、徐々に社交性も取り戻した気がするのぉ。


そしてワシは悟ったんじゃ、脱ステは心も蝕むと。

2013年3月16日 (土)

Episode 10 脱ステロイドで悪化した記録



そこからしばらくの間は、まあまあの状態が一進一退という感じじゃった。


そうやって、平穏な日々を取り戻したんじゃ。


だが、これだけではないんじゃ。


脱ステの呪縛はとても強かったんじゃ。


呪縛から逃れたと思っていても、実際にはまだまだ影響が残っていたんじゃ。'



ある時、医者に言われたんじゃ「もう少ししっかり塗れば、もっと良くなるんじゃないか」と。


当時は、医者の間でも、ステロイド外用の塗る量が少ないためにイマイチな人が多いのではないか?という考えが出始めて、FTUという塗る量の目安みたいなものが広まってきたんじゃ。


それまでは漠然とした塗る量の目安しかなかったと思うから、これは画期的なことじゃったのかもしれん。


少なくともワシには画期的な出来事じゃった。



ワシは、よし、それなら十分なステロイドの量を塗ってみようと決めんたんじゃ。


それから半年くらいは、十分といわれる量をぬったのぉ。


そして、脱ステから抜けだして、まあまあ良くなっていたワシのアトピーは、さらにどんどん良くなったんじゃ。


それはビックリする結果じゃった。


肘、膝あたりは、どうしても湿疹が残っていたんじゃが、半年後にはステロイドを塗らなくても湿疹がでなくなったんじゃ。


衝撃だったのぉ。



今から思うと、脱ステ経験があると、ステロイドの治療に戻っても、どうしても脱ステの呪縛から逃れられず、塗る量にためらいが出てしまっていたんじゃろう。


脱ステの呪縛は本当に強いからのぉ。


2013年3月17日 (日)

Episode 11 脱ステロイドで悪化した記録



というわけで、今のワシは、体にはほぼ湿疹が出なくなったんじゃ。


ただ顔だけはちょこちょこ湿疹がでるんじゃ。


なのでステロイドとプロトピックを使って治療中じゃ。


じゃがのぉ、病院に通うのも年に2、3回程度にまで減ったんじゃ。


日常生活はもはや、ほとんど健常人と同じじゃ。


特にステロイドの副作用もでておらんし、効果がなくなるなんてこともなかったのぉ。


一番残念なのは、脱ステ中に悪化した部位の色素の痕じゃな。


こればっかりは、徐々に薄くなっているものの、残ってしまっとる。


まあ、脱ステの苦い思い出じゃと思うことにしておるよ。

2013年3月18日 (月)

Episode 12 脱ステロイドで悪化した記録



ワシは脱ステの日々を後悔しておる。


だから、この脱ステの日々を忘れたい、思い出したくないとも思う。


じゃが、今の時代でも、お主たちのような迷えるアトピーが道を踏み外し、脱ステをして苦しむことが繰り返されておる。


じゃから、ここでワシの体験を公表することにしたんじゃ。



残念なことじゃが、ネットをみていると、ワシのように脱ステから標準治療に戻った人の意見や、脱ステを批判する意見に、異様なほど過激に反応する者達がおる。


脱ステこそ正しいと思い込んでいるんじゃろう。


じゃが、その考えが本当に正しいのか考えて欲しいのぉ。


そして、脱ステの苦しみを強要してはだめじゃ。


苦しむことが分かっていながら自分が脱ステするのは構わんが、それを他人に押しつけてはいかんのじゃ。




迷えるアトピーたちよ、だいぶ元気が出てきたようじゃなぁ。


よろしい、これでワシの体験談は終わりじゃ。


2013年3月20日 (水)

脱ステで後悔した者たちよ、後世に伝えるのじゃ!



ワシの体験なんて生ぬるいかもしれん。


ワシなんかより、もっともっと酷い脱ステ体験をしたものもおるじゃろぅ。


社会からドロップしたり、入院を余儀なくされたり、きっとそういう迷えるアトピーはたくさんいたはずなんじゃ。


そういう者達こそ、声をあげて当時の反省を後世に伝えるべきじゃ。


伝えるものがおらんから、いまだに脱ステで治るなんて勘違いするものが出てくるんじゃ。


ワシと同じように脱ステに後悔したものは、ぜひ、どこかでその体験を語って欲しいのぉ。

2013年3月23日 (土)

最後じゃ



ブログに書いたワシの体験談を、医者が脱ステ撲滅のために作った嘘の話と思っておる輩がおるらしい。


まるで陰謀呼ばわりじゃよ。


本当に残念というか、虚しくなるというか……そんな風にしか考えられないとは、寂しいものじゃなぁ。



もし作り話をするなら、カポジになって高熱をだして入院したとか、顔も完治したとか、もっと色々と書きようがあるじゃろう。


そんな話も周りからよく聞くしのぉ。


ワシのように軽い合併症で済んでいる人だけではないからのぉ。




これが本当の最後じゃ。


迷えるアトピーよ、脱ステはやめるべきじゃ。

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